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[ONE PIECE magazine Vol.3]“Special Episode Luff”3/3話 書き起こし&感想考察


ONE PIECE magazine VOL.3の尾田先生の描きおろし漫画“Special Episode Luff”の最終話3/3話目。

[1・2話はコチラ]

[OPmagazine Vol.2]“Luff”2/3話 書き起こし&感想考察

[OPmagazine Vol.1]“Luff”1/3話 シーン比較&感想考察


その内容を書き起こし、その中身について考察してみたい。

・サニー号の船室――

・右手で盃を掲げた様な形で寝ているルフィはふいにガバッと起き上がる

・一同「!」 ナミ「あらルフィ おはよう!!」

・ブルック「オハヨーございまーす♪ルフィさん」

・………

・ゾロ&サンジ『殴ってほしい?』

・ルフィ「ああ 思いっきり殴れ!!! おれがこんな夢見てる様じゃおれ達は

・互いの顔を見合わせるゾロとサンジ「…」

・2人の『オラァ!!!』という声と共にボカッ!!バキッ!!ドカッ!!という激しい音が

・ルフィ「痛っっって===!! 夢見ただけだぞ!! そんなに悪いかよ!!」

・ゾロ「――だからなんの夢かも知らねェし(汗)」

・サンジ「ちょうど殴りたかった お前昨日冷蔵庫のよ…」

・サニー号は海を往く

・場面転換 革命軍の船――

・ルフィと同じポーズで寝ていたサボもまた、ガバッと目を覚ます

・一同「!」

・ハック「おー起きたかサボ…まいったよ」

・サボ「?」

・ハック「市民のSOSを受けたってのに…!!凪につかまった 小一時間船が進まねェ」

・サボ「…!! そうなのか…変だな」

・コアラ「あれれサボ君 涙ぐんでない?――またあの夢見たの?2年間毎日苦しめられたあの…」

・燃えながら怒るサボ「お前な!! 人の苦しみをバカにしやがって――」

・焦るコアラ「わーっ危ない!! 火!! 火!!」

・サボ「え!? 止まらねェ!!」

・ギャーっと怒るコアラ「こらーー!! 火事にする気!?」

・メラメラと燃える自身の炎を見るサボ「……あいつに怒られた…アハハ」

・コアラ「え??」

・サボ「おお ――風だ……進もう」


ONE PIECE magazine Vol.2Luff 2/3話の感想に、この話は「サボの夢」だろうと書いたんだけど、半分当たりだったか。

ルフィも同時にその夢を見てたってわけだ。ドレスローザにてサボが生きてることを知ったルフィにも、「もしも」あの時にサボが助けに来てくれてたらっていう思いが、心のどこかにあったのかな。

だけど「そんなおれじゃいけねェ」「終わった事を悔やんでも仕方ねェ」って想いと相まって、ルフィにとっての両翼であるゾロとサンジに気合を入れてもらうために「殴ってくれ!」と申し出たんだろう。


そして、ラストとなる今回はこの話を描き上げた尾田先生からのメッセージ(あとがき)もついてた!

オマケ漫画お読みいただきありがとうございました。
別にストーリーを追ってほしいわけじゃないのです。
ONE PIECE magazineの制作チームから1つの提案がきました。
ルフィ、エース、サボの3人が引き裂かれる事なく成長して3人が一緒に冒険していたらというもしも話をオマケ漫画にできないかと。
僕は言いました。「3人とも船長になりたいのに、そんな世界はあり得ない」「仮にそうなっていたらルフィは今の仲間達に出会ってないから少し人格も違うかも」これは世界の崩壊です。ムリ!
でも、大人になった3人が同じコマで会話してる所を見たいという読者がたくさんいる事もわかっています。
僕の頭の中で3人が出会う場所があるとすれば、あそこしかないのです。
あれを「もし」にするしかない。ファンの相当な反発も予測できます。
だからこそ、やるなら本気の原稿テンションで描かなければ。
サボは、ルフィは、きっとこんな「もし」を想像して、変えられない過去に苦しめられたのでしょう。
本編は何も変わる事はありませんが、本気のオマケ漫画 楽しんでいただけたら幸いです。気を悪くした人達はごめんね。

2017.9 Eiichiro Oda


このオマケ漫画にかける尾田先生の気持ちが凄い!多くのファンの気持ちも考え、自分の中にあるONE PIECEの世界観も崩す事なく、magazine制作チームの提案にも答える、と。

個人的に地味に衝撃を受けたのは尾田先生の「3人とも船長になりたいのに、そんな世界はあり得ない。仮にそうなっていたらルフィは今の仲間達に出会ってないから少し人格も違うかも」という一言。そうだよな~~と。漫画のキャラだと侮るなかれだ。ルフィも多くの人と出会って仲間を作り今があるわけで、違う道を辿ればまた違う人格のルフィになってしまうんだよね。

尾田先生の描くキャラクターは一人一人に歴史があって骨太な背景があるから魅力があるんだろうなと再確認。それを知ることができただけでも、最高のオマケ漫画だった!


[関連リンク]

[OPmagazine Vol.2]“Luff”2/3話 書き起こし&感想考察

[OPmagazine Vol.1]“Luff”1/3話 シーン比較&感想考察

コメント

No title

「オマケ漫画」などではなく、
これからの展開に必要な内容だったと思います。

とても大切な人を亡くしたら、激しく自分を責めてしまいます。
「ああすれば良かった」「ああしたのは間違いだった」と。
それがいつも頭にあって、前に進もうとしてもなかなか難しい。

コアラがサボをからかっているように見えますが、
コアラもフィッシャー・タイガーの死を知ったとき、苦しんだはず。
「私を送って来なければ」「私は何かすべきだったのでは?」と。
サボの置かれている状況や気持ちが理解できるから、
コアラなりのやり方で励ましているのかなぁと。

それらが少ないコマで、うまく描かれていると思います。

ゲームの話ですが、海賊無双2でエースが生きてきた世界がオリジナルで書かれていました。あまりに普通に出てきたので「エースが生きてたら今の麦わら一味は有り得ないんじゃないか?」と疑問に思いそのまま辞めてしまったのですが、尾田先生も同じ思いだったことに安心と同時に感動しました。
エースが生きてたらルフィたちは離れ離れで2年間の修行をしてなかったかもしれない。サボが無事で3人一緒に育ったとしてもそれは同じで、何が違ってもバタフライ・エフェクトが起こり現状など有り得ない。天竜人の事件がなかったらサボが革命軍に入ってない可能性高いですしね。
「夢オチかよ!」とツッコミが入ることも承知で、ブレない軸を特別なストーリーだろうと曲げなかった尾田先生に、ただただ感謝です。

No title


>なんであの場所知ってたんだろ

あの場所ってのは、夢の中で3人が会ってた桜舞う場所の事ですかね?ロジャーと白ひげが酒を酌み交わしてた。

そこに関しては夢の中だから、としか言えないですかねぇ~( ˘ω˘ )

No title

なんであの場所知ってたんだろ……

No title


>パラレルワールドかと思いきや夢オチ

ドレスローザ終わった後の世界で、サニー号に一味が勢ぞろいしてるケースは未だに無いんで、パラレルといえばパラレル( ˘ω˘ )

No title


>設定画に書かれていたサンジの親父の「からくり 伯爵サンジェルマン」に驚き

これはまた別の記事で触れようと思います~(^◇^)

しばしお待ちを!!!

>ジャックバックンさん


>おつるさんがドフラミンゴを輸送している時に発した言葉

『情けない話をするんじゃないよ。「もしもあの時」なんて酔狂な世界は存在しない。 この結果だけが現実さ。』

名言ですね( ^ω^ )

>かぐやさん


>Luffの意味は、直訳のまま【風上に船首を向ける】こと。帆船は、帆の張り方で風上にも進める。最後の「風だ、進もう」に少し目頭が熱くなりました

いいですね(''Д'')

良いコメントいただけるとコチラまで嬉しくなります~!

なーんだ

パラレルワールドかと思いきや夢オチか..。ま、私の夢の会話の希望は(一応)叶いましたけど(*'ω'*)

No title

設定画に書かれていたサンジの親父の「からくり 伯爵サンジェルマン」に驚きました!
ジャッジよりサンジェルマンのデザインの方が好きだな~

おつるさんがドフラミンゴを輸送している時に発した言葉を思い出した

まさに Luff

尾田先生がここまで考えて描いてくださったものだったんですね。
自分を守るために死なせてしまったルフィと、記憶を無くしていたせいで助けにもいけず、会うことすらできなかったサボ。
サボ達の船が凪につかまった描写は、この二人の2年の苦しみを表しているのかな。
Luffの意味は、色々と深読みもしましたが、直訳のまま【風上に船首を向ける】ことなのかもですね。帆船は、帆の張り方で風上にも進める。
最後の「風だ、進もう」に少し目頭が熱くなりました。

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